日中は暖かくても、朝晩は冷え込む時期。ふと、寝る前になって思ったより足先が冷えていることに気づき、なかなか寝つけない…。そんな身体の芯の冷えを感じている方も多いのではないでしょうか?
実は、生理学の視点で見ると、外から温めるだけでは解決できない冷えの正体があります。今回は、ヨガがなぜ冷えに効くのか、そして今夜からできる「自前の熱を作る」方法をお伝えします。
産熱と放熱

私たちの身体は、常に一定の体温を保つために、産熱(熱を作る)と放熱(熱を逃がす)を繰り返しています。冷えが辛い方の多くは、外側からの熱に頼りすぎて自分自身の「熱を作る工場」が少しお休みモードになっている可能性があります。
ヨガが冷え対策に効果的だと言われるのは、この産熱システムを再起動させることができるからです。
- 筋肉という「発電所」を動かす
ヨガのポーズで大きな筋肉をじわじわと使うことは、身体の中で自家発電をするようなものです。
- 血流という「運搬車」を走らせる
作った熱を身体の末端まで届けるには、血管の柔軟性が必要です。ヨガの圧迫と解放の動きが滞りがちな血流を改善してくれます。
私たちの身体は、深部体温がいったん上がり、ゆるやかに下がり始めるときに眠気を感じるようにできています。冷えで寝つけない原因の一つとして、日中の活動量が低いことなどにより、深部体温が十分に上がっていない可能性も考えられます。
心地よい入眠のためには、この深部体温の落差が必要です。寝る1〜2時間前に深部体温を意図的に上げることは、深い眠りへの助走につながるのです。しかし、深部体温を上げるために激しすぎる運動をすることは交感神経を刺激し、眠りにくくなってしまうのでおすすめできません。ゆるやかにじんわりと体温を上げていく、そして、下げることが必要です。
寝る前のヨガ

これらの仕組みを使って、心地良い眠りへ導くヨガを2つのステップで紹介します。
ステップ1
産熱:椅子のポーズ(ウトゥカタアーサナ)
足を腰幅に開いて立ちます。息を吐きながら椅子に腰掛けるように股関節を曲げます。
腰が反らないように体幹の力は保ったまま、太ももに力が入るのを感じます。
5呼吸キープしたら、ゆっくりと立ち上がりましょう。
生理学的ポイント:
筋肉の収縮は、体内で最大の産熱です。特に大きな筋肉を刺激することは、効率よく深部体温を上昇させます。「少しきつい」と感じる動きが天然のヒーターをオンにします。
ステップ2
放熱:仰向けの合蹠のポーズ
仰向けになり、足の裏を合わせて膝を外側に開きます。
両手をお腹に添えて、添えた手が上下するように吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でお腹をへこませるようにゆっくりと呼吸します。
生理学的ポイント:
ステップ1で作った熱を、血管を広げながら抹消へ運びます。深部体温は、手足に熱が逃げていくことで少しずつ下がり、自然な眠気を誘発します。更に、腹式呼吸は副交感神経を優位にし、入眠をサポートしてくれます。
身体を冷やさないことは大切ですが、中から熱を作り出すことも、身体を温める方法の一つです。身体の仕組みを理解して、一度燃やして、ゆっくり冷ますことをヨガで行うことで、寒い季節も暖かく眠りにつくことができます。毎日の睡眠を最高の休息時間へ変えていってください。










